SNSで敵対的な投稿を繰り返す人、犯罪歴や幼少期の環境に特徴
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SNS上での攻撃的な言動が問題視される中、これまでの研究は主にオンライン環境が敵意を生む要因と考えてきました。しかし、デンマークの研究チームは、新たな視点からオンラインの敵意を分析。Twitter(現X)のユーザー約4,900人のSNS上での振る舞いと、政府の行政データを照合し、オフラインでの経験や個人の特性がどのようにSNS上の敵意に影響を与えるのかを探りました。その結果、犯罪歴の多さや幼少期の環境、さらには学業成績や家庭の経済状況が、SNSでの攻撃性と関連していることが明らかになりました。

The offline roots of online hostility: Adult and childhood administrative records correlate with individual-level hostility on Twitter
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2412277121

SNS上の敵意と犯罪歴の関係

研究では、SNS上で攻撃的な発言をする傾向のある人は、オフラインでも攻撃的な性格を持つ可能性が高いことが示されました。特に、過去に多くの犯罪歴がある人は、SNS上での敵意が強い傾向にありました。これは、現実世界での反社会的行動とオンライン上の言動に共通の特性があることを示唆しています。

幼少期の環境とオンラインでの攻撃性

興味深いことに、幼少期の環境がSNS上の振る舞いに影響を与えることも判明しました。具体的には、幼少期に養護施設で過ごした経験がある人は、SNS上でより攻撃的な発言をしやすいという結果が出ています。一方で、引っ越しの回数や両親の離婚といった他の不安定要素は、オンラインの敵意と強く結びついてはいませんでした。

高い学業成績や裕福な家庭環境も影響

意外なことに、優れた学業成績を持つ人や、裕福な家庭で育った人も、SNS上で攻撃的な傾向を示すことが分かりました。研究チームによると、こうした人々はSNSでの政治的議論に積極的に関わる傾向があり、政治的な対立がSNS上での敵意につながっている可能性が高いとされています。つまり、単なる攻撃的な性格ではなく、政治への関与がSNS上の言動を過激にしている側面があるのです。

オンラインの敵意は「オフラインの経験」と密接に関係

この研究は、SNS上の敵意が単にオンラインの環境によって生まれるものではなく、個人の過去の経験や特性によっても形成されることを示しています。反社会的傾向を持つ人がSNSでも攻撃的になる一方で、知的・社会的に恵まれた環境で育った人も、政治的議論を通じて敵意を高める可能性があるという、複雑な関係性が浮かび上がりました。

この研究結果は、SNS上のヘイトや攻撃的な言動を減らすためには、単なるプラットフォームの規制強化だけでなく、個々人のオフラインでの経験や社会的背景にも目を向ける必要があることを示唆しています。SNS上の敵意を減らすためには、オンラインとオフラインの両方でのアプローチが求められるのかもしれません。


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