
概要
西アフリカ・ギニアビサウのカンタネス国立公園で、野生チンパンジーが自然発酵したアフリカパンノキの果実を探し当て、仲間と分け合いながら“ほんのりアルコール”を楽しむ様子が隠しカメラで撮影された。発酵果実は最大0.6%のエタノールを含み、研究者は「ストレス軽減による社交性向上の可能性がある」と指摘。動画は「動物版・大学の春休み」とSNSで拡散し、人間と霊長類の“酒好き”遺伝子のルーツに注目が集まっている。
発酵フルーツを選び抜く“グルメセンサー”
調査ではチンパンジーが複数の果実の中から高アルコールのパンノキを優先的に選択。呼気検査で早熟果より遅熟果の方が顕著にアルコール度が高いと判明し、彼らが成熟度を嗅ぎ分けている可能性が浮上した。
90%が受動的シェア ── 酒は争わず回す文化?
映像では17個体が10回以上にわたり果実を共有。その9割は「持ち主が許すだけ」の受動的分け合いだったが、半数の場面でよりアルコール度の高い果実が選ばれた。呑み仲間も年齢・性別を問わず多彩だった。
道具まで使う“果実クラフト”の現場
一部のチンパンジーは石の“ナイフ”や“まな板”を使って果皮を割り、中身を効率良く取り出す巧みさを披露。人類の飲酒文化と同様、味と酔いを最大化するためのテクニックが自然に進化したと研究チームは推測する。
アルコールが促す絆形成の仮説
アルコールは少量なら緊張を和らげエンドルフィンを誘発するため、発酵果実が群れの社交性や協力行動をブーストしている可能性がある。研究者は「発酵果実は太古から霊長類の社会生活に影響し続けてきたかもしれない」と結論づけた。
Wild Chimps Filmed Bonding Over Boozy Fruit Like College Spring Breakers
https://people.com/wild-chimps-filmed-bonding-over-alcoholic-fruit-11720149
文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)