飛行機で死亡事故に遭遇する確率は「1370万回の搭乗に1回」約10年ごとに死亡リスク半減
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飛行機事故への不安を感じる人は多いですが、実際には航空機の安全性は過去数十年にわたり着実に向上しています。

MITの最新研究によると、1960年代以降、航空事故による死亡リスクは約10年ごとに半減していることが分かりました。2018年から2022年の間では、飛行機に搭乗した際の死亡リスクは1,370万回の搭乗ごとに1回という低さでした。

一方で、新型コロナウイルス(COVID-19)による影響も考慮する必要があります。研究では、パンデミック中の航空機内での感染拡大によって、世界で約4,760人の死亡が関連している可能性が示唆されています。

航空技術の進化や安全管理の強化により、飛行機の安全性はこれからも向上し続けると考えられますが、地域ごとの安全性の差も依然として存在します。

Study: Flying keeps getting safer
https://news.mit.edu/2024/study-flying-keeps-getting-safer-0807

航空機の死亡リスクは過去50年間で大幅に減少

MITの研究によると、1968年から1977年の間における飛行機の死亡リスクは35万回の搭乗ごとに1回でした。しかし、その後の数十年間で安全性は大幅に向上し、直近の2018年から2022年のデータでは、1,370万回の搭乗ごとに1回という驚異的な低リスクにまで下がっています。

年代ごとのデータを見ると、安全性の向上が一目で分かります。

  • 1968~1977年: 35万回に1回
  • 1978~1987年: 75万回に1回
  • 1988~1997年: 130万回に1回
  • 1998~2007年: 270万回に1回
  • 2008~2017年: 790万回に1回
  • 2018~2022年: 1,370万回に1回

これは、航空安全の分野における「ムーアの法則」とも呼べるもので、技術革新や管理体制の改善により、約10年ごとに死亡リスクが半減していることを示しています。

COVID-19の影響—感染拡大による死亡リスク

今回の研究では、通常の航空事故とは別に、新型コロナウイルスによる死亡リスクも分析されています。2020年6月から2021年2月までの間に、米国だけで約1,200人が飛行機内での感染に関連して死亡した可能性があると推定されています。

また、2020年3月から2022年12月までの世界全体のデータでは、航空機を介して感染したことで約4,760人が死亡したと推測されています。これらの数値は、感染率や死亡率、搭乗者の年齢分布などのデータを基に算出されています。

驚くべきことに、コロナ禍でも高齢者の飛行機利用率はあまり低下していなかったことが分かりました。高齢者は若年層よりも感染時の死亡リスクが高いにもかかわらず、多くの人が飛行機を利用し続けていたのです。

航空安全向上の要因—技術革新と規制の強化

航空機の安全性が向上した背景には、以下のような要因があります。

  • 技術革新: 衝突回避システムや高度なナビゲーション技術の導入
  • パイロットの訓練強化: 厳格なシミュレーション訓練や緊急時対応の向上
  • 航空規制の強化: 米国連邦航空局(FAA)や各国の航空安全機関の厳格な監視

これらの要因が組み合わさることで、航空機事故の発生率は大幅に減少し、安全性の向上が実現しています。

地域ごとの航空安全格差—どの国で飛ぶのが安全か?

研究では、航空機の安全性における地域ごとの違いも明らかになっています。世界の国々を航空安全レベルに応じて3つのグループに分けたところ、最も安全な国と最も危険な国では36.5倍もの死亡リスクの差があることが分かりました。

第1グループ(最も安全)

  • アメリカ、EU諸国、イギリス、日本、オーストラリア、カナダ、中国、イスラエル、ニュージーランドなど
  • 2018~2022年の死亡リスク:8,000万回の搭乗ごとに1回

第2グループ(中間レベル)

  • ブラジル、インド、メキシコ、シンガポール、韓国、UAEなど
  • 2018~2022年の死亡リスク:8,000万回の搭乗ごとに1回(第1グループと同等)

第3グループ(最もリスクが高い)

  • その他の国々
  • 2018~2022年の死亡リスク:第1グループの36.5倍

第3グループの国々も過去と比べると安全性が向上していますが、それでも最も安全な国々との差は依然として大きい状況です。

まとめ

MITの研究によると、商業航空の安全性は1960年代以降、着実に向上し続けており、現在では1,370万回の搭乗ごとに1回の死亡リスクという極めて安全な水準に達しています。

一方で、新型コロナウイルスの感染拡大による死亡リスクが発生したり、地域によって安全性に大きな差があるなどの課題も残されています。

しかし、航空技術の進歩や安全規制の強化により、今後も飛行機の安全性はさらに向上する可能性が高いでしょう。飛行機を利用する際には、最新の安全情報を確認しつつ、より安全な航空会社や地域を選ぶことが重要かもしれません。


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