
概要
SNSでスターとなった保護リス「ピーナッツ」と同居のアライグマ「フレッド」が、ニューヨーク州当局の家宅捜索後に狂犬病検査のため安楽死。
情報公開資料で、当局の方針転換と判断プロセスが浮かび上がり、全米で「行き過ぎた権限行使」との批判が燃え広がった。
小さなスター誕生とオンライン人気の爆発
NY州南部の保護施設で育ったピーナッツは、飼育者ロンゴ氏の肩を駆け回りワッフルを食べる動画やカウボーイハット姿がTikTokで拡散し登録者は数十万に達した。SNSライブ配信には世界中からギフトが届き、施設運営の資金源としても大きな役割を果たしていた。
当初は“軽微違反”扱い、方針急転の舞台裏
当局は2024年1月から無許可飼育を把握していたが、当初は指導のみで静観。しかし10月、狂犬病媒介リスクのあるアライグマ・フレッドが加わり苦情が急増。保健当局が「人接触がある野生動物は検査必須」と指示し、違反は“要即時対応”に格上げされた。
押収当日の混乱――一噛みで決した運命
10月30日朝、令状を持った職員12人が家屋を捜索。浴室で捕獲されたピーナッツは革手袋越しに係員を噛み負傷させる。DECは即座に高リスク案件と判断し、ピーナッツとフレッドを同日安楽死し脳組織を検査へ。陰性結果が出たのは処分後で、後悔と疑問の声が噴出した。
死後の大炎上と当局改革宣言、残る課題
ピーナッツの死はJD・バンス副大統領候補も演説で言及する政治問題に発展。DECには爆破予告や罵声が殺到し、州政府は内部調査とボディカメラ導入を決定した。しかし「不要な検査で命を奪った」との世論は鎮まらず、野生動物保護と公衆衛生の境界を巡る議論が続いている。
Inside the investigation, seizure and death of Peanut the social media star squirrel
https://apnews.com/article/peanut-squirrel-rabies-new-york-investigation-55bae101240c088ffa0c427cac803e3f
文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)