
ウサギの歯は一生涯にわたって成長し続けるため、ウサギは高繊維の食物を噛むことで歯を削ります。最新の研究によると、ウサギはこの歯の摩耗によって生じる細かい粉末を再利用し、歯の成長に必要なカルシウムを補っている可能性があることが明らかになりました。
Rabbits may have a surprising source of calcium — eating their own teeth
https://www.livescience.com/animals/land-mammals/rabbits-may-have-a-surprising-source-of-calcium-eating-their-own-teeth
食事と共に歯の破片を摂取?
ウサギは大量のカルシウムを必要としますが、従来の研究では、野生のウサギはカルシウムが豊富な葉物野菜などを積極的に摂取すると考えられていました。しかし、新たな研究では、ウサギが食事中に自身の歯の破片を摂取し、それが重要なカルシウム供給源になっている可能性が示されています。
ウサギの高繊維の食事により、歯は常に削られます。このときに生じる細かい歯の粉末が消化管に取り込まれ、再び体内で吸収されることで、歯の成長を支えるという「カルシウム循環システム」が機能していると考えられています。
研究の詳細と実験結果
この研究は『The Veterinary Journal』の2025年2月号に掲載されました。研究チームは、ヨーロッパアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)8匹の雌ウサギを対象に2週間の給餌実験を実施しました。
実験では、ウサギに通常のカルシウムサプリメントを含むペレットと、すりつぶしたウサギの歯を含むペレットをそれぞれ与え、排泄物を分析することで体内でのカルシウム吸収率を測定しました。
結果として、ウサギは自分の歯由来のカルシウムを効果的に消化・吸収していることが判明しました。さらに、食物からのカルシウムよりも、歯のカルシウムの方がわずかに高い吸収率を示したのです。
今後の研究と意義
この研究は、ウサギのカルシウム代謝に関する新たな視点を提供し、特に野生動物における栄養の適応戦略を理解するうえで重要な発見となります。
また、ペットのウサギを飼育する際の栄養管理にも影響を与える可能性があります。現在、市販のウサギ用ペレットはカルシウムが強化されていますが、ウサギがどのようにカルシウムを利用しているのかをより深く理解することで、最適な食事の提案が可能になるかもしれません。
この研究は、ウサギの生態と進化の適応戦略に関する新たな知見を提供し、さらなる研究が期待されています。