
概要
脳腫瘍は重度の頭痛や運動障害など深刻な症状が出ることで知られていますが、実はその前に現れる「初期のサイン」は、日常の不調やストレスと見分けがつきにくいのが特徴です。
ロンドン大学の研究員らが警鐘を鳴らす“見逃されがちな7つの兆候”を知ることで、早期発見のヒントとなる可能性があります。本記事では、それぞれのサインを具体的に紹介します。
The seven symptoms that can delay brain tumour diagnosis – and why early detection matters
https://theconversation.com/the-seven-symptoms-that-can-delay-brain-tumour-diagnosis-and-why-early-detection-matters-266215
言葉がスムーズに出なくなる
会話の途中で言葉を探してしまったり、言いたい単語が出てこないという状況が増えた場合、ただの疲れや年齢のせいと思われがちです。しかし、これは脳腫瘍によって言語を司る脳の領域が影響を受けている可能性があります。
特に頻度が増えたり、会話の構成自体がぎこちなくなるようであれば要注意です。
ぼんやり感や集中力の低下が続く
「頭がぼーっとする」「集中できない」「物事がすぐに思い出せない」といった感覚は、いわゆる“脳霧(ブレインフォグ)”と呼ばれる状態で、脳腫瘍の初期サインの一つです。
忙しさや睡眠不足のせいと片付けがちですが、脳機能の一部に障害が起きている可能性があるため、継続する場合は医師の診断を受けるべきです。
手足のしびれや感覚の異常が現れる
体の片側にだけしびれが起きたり、感覚が鈍くなるような場合、それは単なる姿勢の問題や一時的な疲労ではなく、脳腫瘍によって神経系が圧迫されているサインかもしれません。
特に左右どちらかに偏って出る感覚異常は、脳のどこかに明確な異変がある証拠です。
字が汚くなるなどの運動スキル低下
手書きの文字が急に乱れる、細かい動作がうまくいかないなどの変化は、脳の運動調整を担う部分に腫瘍ができたことによる機能低下を示しているかもしれません。
以前はスムーズにこなせていた日常動作がぎこちなく感じた場合、注意が必要です。
視界の異常や見え方の変化が起きる
視力そのものは正常でも、「ものが二重に見える」「ぼやける」「視野の一部が欠ける」といった視覚の異常は、脳の視覚野が圧迫されている兆候です。
眼精疲労や加齢と混同されやすいですが、継続的な視覚の違和感は検査を受けるべき症状です。
性格や行動パターンに変化が見られる
以前より怒りっぽくなったり、無関心になったり、社会的なふるまいが変わったと家族や友人に言われた場合、それは脳腫瘍による前頭葉への影響が疑われます。
精神的な病と誤解されがちですが、急激な性格変化は脳の機能障害によるものかもしれません。
診断が遅れた場合、医師を信頼しすぎる傾向も
体の不調を感じて病院を受診しても、「大丈夫」と言われると安心してしまい、さらなる検査を求めないケースもあります。特に説明のつかない体調変化が続く場合、別の医師にセカンドオピニオンを求めるなど、積極的な対応が命を守るカギになります。
医療への過信が、診断の遅れにつながる可能性があるという点も重要です。
文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)

