タトゥーをしている人は『リンパ腫』や『皮膚がん』になるリスクを高める可能性
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タトゥーがリンパ腫や皮膚がんのリスクを高める可能性がある――デンマークのオーフス大学と南デンマーク大学による最新の双子研究が、その関連性を示唆しています。

約1万人以上の双子を対象に行われた本研究では、特にタトゥーのある人の方がリンパ系がんや皮膚がんの発症率が高い傾向にあることが明らかとなりました。インクに含まれる化学物質や色素が体内に蓄積されることで、免疫系や発がんリスクに影響を与えている可能性があると研究者らは指摘しています。

Tattoo ink exposure is associated with lymphoma and skin cancers – a Danish study of twins | BMC Public Health | Full Text
https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12889-025-21413-3

Tattoos may be linked to an increased risk of cancer
https://www.sdu.dk/en/om-sdu/fakulteterne/sundhedsvidenskab/nyheder-2025/tatoveringer-kan-haenge-sammen-med-oeget-kraeftrisiko

Could a Tattoo Raise Your Risk of Skin Cancer? Twin Studies Suggest a Link. : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/could-a-tattoo-raise-your-risk-of-skin-cancer-twin-studies-suggest-a-link

双子研究が示すタトゥーとがんの関係

この研究では、1976年から2002年にかけてデンマークの全国双子登録から1万1,905人の双子のデータを分析。そのうち、約2,200人がタトゥーを施していたと報告されています。

統計解析の結果、タトゥーを入れている人は、タトゥーのない人に比べてリンパ腫と皮膚がんの発症率が高い傾向が見られました。

研究チームは、同じ遺伝的背景と生活環境を持つ双子という条件を活かし、タトゥー以外の要因を排除した上での比較を実施。

これにより、タトゥーががんリスクに及ぼす可能性をより精密に評価できたとしています。

インクの成分と体内蓄積のリスク

タトゥーインクには、重金属やアゾ色素など、皮膚や免疫系に影響を与える成分が含まれています。インクは表皮だけでなく、時間とともにリンパ節にまで移動し、体内に蓄積されることが確認されています。

研究チームは、「特に黒インクに含まれるカーボンブラックなどは発がん性のある物質と関連している可能性がある」と指摘。さらに、インクの種類や濃度、刺青の大きさや施術部位も影響を与える要素となる可能性があるとしています。

喫煙や日焼けとの複合的リスクにも注意

今回の研究では、喫煙や過度な紫外線曝露(日焼け)といったがんリスク因子との関連性も考慮されています。タトゥーを入れている人の中には、こうしたリスク行動を取る傾向がある場合も多いため、単純に「タトゥー=がん」とは言い切れない側面もあります。

ただし、双子研究という設計上、こうした生活習慣を持つ双子同士の比較が可能だったため、タトゥーそのものの影響が浮き彫りになったと研究者らは強調しています。

現時点での注意点と今後の研究課題

研究者たちは、「タトゥーが直接がんを引き起こす証拠が確立されたわけではない」としながらも、「関連性が示された以上、安全性に関するさらなる研究と法規制の強化が求められる」と述べています。

また、消費者に対しても「タトゥーを入れる際には、インクの成分や施術の衛生面に注意を払い、信頼できる施術者を選ぶことが重要」と警鐘を鳴らしています。

現在、EUでは一部のタトゥーインクの成分について規制が進められていますが、国際的にはまだ統一された基準がないため、今後の法整備と長期的な健康影響の解明が待たれます。

今回の研究は、タトゥーにまつわる健康リスクについて新たな視点を提供するものであり、美容と自己表現の手段として広まるタトゥー文化において、科学的な理解がより重要になってきています。

文=WEBOPI(翻訳・編集)


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