NASA、職員にLGBTQ+のシンボルの職場内で使用禁止を警告… 罰則者には強制休職処分も
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NASA本部の情報筋によると、職員はプライド(LGBTQ+の象徴)に関連するシンボルを表示することを禁止されているとのことです。これには、プライドフラッグ、ラペルピン、バッジ用のストラップ、TEAMSの背景、衣服、ノートパソコンのステッカー、オフィス内での装飾などが含まれます。

この指示は、これまでの方針と異なり、文書として明文化されていません。NASA本部9階から各管理職に口頭で伝えられ、彼らが部下へ通知しているという形が取られています。

この規則に違反した場合、行政休職処分となる可能性があります。この措置はLGBTQ+コミュニティの職員だけでなく、LGBTQ+を支援するアライ(支援者)にも適用されるとのことです。

You Must Hide Your Pride At NASA
https://nasawatch.com/personnel-news/you-must-hide-your-pride-at-nasa/

反響と批判

この新たな方針に対し、NASA内部および外部の反応は大きく分かれています。多くの職員やLGBTQ+コミュニティの支援者は、この措置が差別的であり、職場の多様性と包括性の精神に反するとして強く反発しています。

また、全米LGBTQ+団体や人権活動家もこの方針に懸念を示しており、「NASAのような科学と探求の最前線にある組織が、多様性を否定する方向に進むのは問題だ」との声明を発表しました。

一方で、NASAの一部関係者は「この措置は職場の中立性を保つためのものであり、特定の思想や象徴を排除する意図はない」と説明しているものの、実際にはLGBTQ+関連のシンボルのみが対象となっていることから、疑問の声も上がっています。

NASAの過去の取り組みとの矛盾

NASAはこれまで、多様性と包括性を促進する取り組みを積極的に行ってきました。特に近年では、LGBTQ+コミュニティを支援するプログラムを展開し、毎年6月のプライド月間には公式に祝うイベントも開催していました。そうした経緯を考えると、今回の決定は従来の姿勢と矛盾するものとして受け止められています。

NASAの元職員や研究者の中には、今回の方針が新たな政権の影響を受けた可能性を指摘する者もおり、「科学機関としての独立性を維持することが必要だ」との意見も聞かれます。

今後の展開

NASAの職員や外部の団体は、今後もこの方針の撤回を求めて圧力を強める可能性があります。特に公的機関としてのNASAの透明性や公平性に対する監視が強まり、この方針に関するさらなる議論が行われることが予想されます。

NASAは正式な声明を発表していませんが、今後の動向が注目されるところです。


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