高齢者の「朝ごはんが遅い」は早死にのサイン!? 最新研究でわかった意外な関連性

概要

朝食の時間が遅くなることが、高齢者の健康や寿命に関係している可能性がある――そんな衝撃的な研究結果が発表されました。

イギリスの高齢者約3,000人を対象とした長期研究によると、朝食のタイミングが遅くなることで、死亡リスクが有意に高まる傾向があることが判明しました。

ただし、これは「遅い朝食が死を招く」という話ではなく、朝食の時間が健康状態の変化を示す“見えないシグナル”になり得るという指摘です。

Meal timing trajectories in older adults and their associations with morbidity, genetic profiles, and mortality | Communications Medicine
https://www.nature.com/articles/s43856-025-01035-x

朝食の時間が遅い人ほど死亡リスクが上がる傾向

研究によると、朝食をとる時間が1時間遅れるごとに、死亡リスクが8~11%上昇するという結果が出ています。これは、高齢になるとともに生活リズムが崩れやすくなることが一因と考えられています。

朝食が遅くなることで、1日の食事時間が短くなり、身体の代謝や活動にも影響が及ぶ可能性があると研究者たちは見ています。

食事時間の変化は健康状態の悪化と連動している

分析の結果、高齢者は年齢とともに朝食と夕食の時間が全体的に遅くなり、その傾向は身体的・精神的な健康の低下と関連していました。

朝食が遅くなるから健康が悪くなるのではなく、健康状態の悪化が朝食を遅らせる要因になっている可能性が高いのです。食事時間の変化は、加齢による心身の変調を示す重要なサインかもしれません。

睡眠や生活リズムの乱れが朝食時間に影響

健康状態が悪化すると、睡眠の質が低下したり、朝起きるのが難しくなったりすることがあります。結果として、朝食を食べる時間も遅れがちになります。

また、体力の低下や家事の負担増によって、朝の活動開始が遅れ、食事のタイミングもずれ込むという生活スタイルの変化も見られます。これらが早期の健康リスクを示す兆候になることもあるのです。

食事時間の変化が“見えない警告サイン”になる

この研究が示しているのは、朝食の時間そのものが寿命を左右するということではなく、「朝食の時間の変化」が健康リスクを察知する手がかりになり得るという点です。

研究チームは、食事時間の変化に注目することで、高齢者の健康悪化を早期に発見し、必要なケアを提供するためのツールとして活用できると述べています。医療現場での新たな観察ポイントとして注目されています。

文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)


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