飲み残しのコーヒー、排水溝に流すと環境破壊に?科学者が警鐘を鳴らす理由とは

概要

街中や自宅で飲みきれなかったコーヒーを、つい排水溝に流してしまった経験がある人も多いかもしれません。

しかし、イギリスの環境科学者は、コーヒーを排水溝に捨てる行為が環境に深刻な影響を及ぼす可能性があると指摘しています。カフェインを含む飲み残しのコーヒーが河川や海に与える影響や、排水処理の限界についての最新研究が明らかにした事実をご紹介します。

Should you pour coffee down the drain? An environmental scientist explains
https://theconversation.com/should-you-pour-coffee-down-the-drain-an-environmental-scientist-explains-268236

コーヒーを捨てることが環境汚染につながる理由

イギリスでは合流式下水道が多く、雨水も生活排水も同じパイプを通って処理施設に送られます。しかし、大雨時など処理能力を超えると、未処理の水が直接河川に流れ出します。

飲み残しのコーヒーが多ければ、それに含まれるカフェインも処理されずに自然に放出されるリスクが高まります。実際にスイスや世界中の河川でカフェイン汚染が確認されています。

カフェインの環境への影響は深刻

カフェインは分解しにくく、水中生物にさまざまな悪影響を与えることが研究で明らかになっています。淡水藻類や水生昆虫の代謝や成長を妨げ、死に至らしめる場合もあるとのことです。

さらに、海洋生態系にも悪影響を及ぼす可能性があり、カフェインは近年「新興汚染物質」として注目を集めています。下水処理場でも完全に処理しきれないのが現実です。

合流式・分流式下水道でも結果はほぼ同じ

分流式下水道ならシンクに流したコーヒーは処理場に送られると考えがちですが、実際は合流式の地域が多く、シンクと排水溝の違いは大きくありません。つまり、どこから捨ててもカフェインが環境に流れ出る可能性があるのです。

コーヒーだけでなく、油や塗料、洗剤なども流してはいけないと専門家は強調しています。

余ったコーヒーは別の方法で再活用を

コーヒーを無駄にせず環境にも配慮するために、最初から作る量を減らすことが基本です。また、ブラックコーヒーであれば薄めて植物の栄養剤として使えます。

さらに、コーヒーかすは土壌改良材として利用でき、有機物を増やして植物の成長を助けます。ちょっとした工夫で、コーヒーを有効活用する方法は意外と多く存在します。

文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)


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