「急速充電=バッテリー劣化」は本当か?500回の実験で見えた意外な真実
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概要

「急速充電はスマホのバッテリーを劣化させる」という定説は正しいのか?人気ガジェット系YouTubeチャンネル「HTX Studio」が、iPhoneとAndroidを使い、500サイクルに及ぶ実験を実施。急速充電と低速充電、30〜80%充電の影響を比較し、その効果やバッテリー劣化の実態を検証しました。

予想外の結果が明らかになったこの長期実験の詳細を紹介します。

Testing Whether Fast Charging Kills Smartphone Batteries, And Other Myths
https://hackaday.com/2025/11/10/testing-whether-fast-charging-kills-smartphone-batteries-and-other-myths/

Is Fast Charging Killing the Battery? A 2-Year Test on 40 Phones

急速充電と低速充電、実はほとんど差がなかった

HTX Studioは、iPhone 12とAndroidスマートフォンにおいて、急速充電と低速充電の違いがバッテリーに与える影響を調査。

500サイクルを経た結果、iPhoneでは0.5%、Androidではむしろ急速充電の方が0.3%損失が少ないという微差でした。

このことから、一般的な使い方であれば、急速充電がバッテリー寿命に大きな悪影響を与えることはないと結論づけられます。

「30〜80%充電」が最もバッテリーに優しいが…

「バッテリーはフル充電せず、30〜80%を保つのが良い」という説も検証されました。その結果、iPhoneでは8.3%、Androidでは6.0%の損失と、いずれも他の充電方法より優れていました。

ただし、急速充電との差はわずか2〜4%程度であり、劇的な効果とは言いがたい結果に。こまめな充電管理は多少の効果はあるものの、神経質になる必要はないといえそうです。

バッテリーの「健康状態」と体感の関係とは?

HTX Studioは、バッテリー容量が異なるiPhoneを用いて使用感の違いもテスト。94%のiPhone 12では4時間使用後も39%残っていたのに対し、77%のiPhone Xは約4時間で電源が落ちました。

また、バッテリー容量が低くなると、残量が多くても処理速度が落ちるスロットル機能が早く作動することも確認。体感的なパフォーマンス低下は80%前後から顕著になることが分かりました。

充電しっぱなしはNG?気になる長期影響も検証

スマホを充電器に挿しっぱなしにすると劣化が早まると言われていますが、短期間では明確な差は出ませんでした。ただしAppleも長期放置を避けるよう推奨しており、HTX Studioもこの点は「長期的な問題」と説明しています。

最終的に「神経質にならず、自分に合った充電スタイルでOK」というアドバイスが送られました。充電方法に迷う人にとって、肩の力が抜ける結論です。

文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)


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