
概要
日本には「満腹まで食べない」という独特の食習慣「腹八分目」があります。これは、お腹がいっぱいになる前に箸を置くというシンプルな考え方ながら、心と身体に多くのメリットをもたらすとされています。
イギリスの栄養学専門家もこの習慣に注目し、健康維持や食事に対する意識の向上に役立つと紹介しました。この記事では、腹八分がなぜ今注目されているのか、その効果と実践方法を4つのポイントでご紹介します。
Is it healthier to only eat until you’re 80% full? The Japanese philosophy of hara hachi bu
https://theconversation.com/is-it-healthier-to-only-eat-until-youre-80-full-the-japanese-philosophy-of-hara-hachi-bu-268008
腹八分目は日本文化の知恵
「腹八分目」は、江戸時代から伝わるとされる日本の生活の知恵です。古くは健康を保つための教えとして広まり、現代においても長寿地域でこの考えが息づいています。
ただのダイエット法ではなく、身体への配慮と節度をもった生き方の一部とされてきました。満腹になる前に食事を終えるという選択には、自分自身を労わるという意識も含まれています。
「気づき」と「感謝」を生む食事の在り方
腹八分の実践は、単に食事量を制限するだけでなく、自分の身体や心の状態に目を向けることを促します。今どれくらい空腹か、どのくらいで満足するかに気づく習慣が生まれ、食材や作ってくれた人への感謝の気持ちも育ちやすくなります。
また、スマホやテレビを見ながらの「ながら食べ」を避け、食に集中することが大切です。これにより、満足感が高まり、過食の防止にもつながります。
科学的にも注目される健康メリット
腹八分目を続けることで、一日の総摂取カロリーが自然と抑えられ、体重の増加予防に効果が期待できます。また、過食による胃腸の負担や、食後のだるさなども軽減されるケースがあるといわれています。
さらに、野菜中心の食生活やゆっくりとした食事リズムと組み合わせることで、より健康的なライフスタイルにつながる可能性もあります。ただし、成長期や体力を多く使う人には注意が必要です。
習慣化するための5つのコツ
腹八分を日常に取り入れるには、いくつかのポイントを意識すると効果的です。まずは、よく噛んでゆっくり食べること。次に、テレビやスマホから離れて食事に集中する環境づくり。そして「まだ食べられるけどやめておく」感覚を楽しむことも大切です。
また、栄養バランスを保ちつつ食べる量を調整することも忘れてはいけません。自分の生活スタイルに合わせ、無理なく継続できる形で取り入れることが成功の鍵になります。
文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)

