極限耐性のクマムシに「ナノタトゥー」彫り込み!生きたまま加工する中国発・謎技術の衝撃

概要

中国・西湖大学の研究チームが開発した「アイス・リソグラフィー」という新技術により、微小生物クマムシに“タトゥー”のような微細な模様を彫り込むことが可能になりました。

この技術は、極寒状態で凍結させたクマムシに電子ビームを用いてナノサイズの模様を刻むというもので、加工後もクマムシの多くが生存していたことから、生きた生物への応用も期待されています。

未来の医療やバイオデバイス分野にもつながる可能性を秘めた驚きの研究成果です。

Patterning on Living Tardigrades
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.nanolett.5c00378

Scientists have found a way to ‘tattoo’ tardigrades
https://www.eurekalert.org/news-releases/1081415

クマムシだけが耐えられる極限タトゥー処理

この技術はすべての生物に使えるわけではありません。強い放射線や極端な低温に耐えられる「クマムシ」だからこそ、ナノ加工という過酷な処理に耐えることができるのです。

クマムシは乾燥して仮死状態になれる特性があり、-143℃という低温環境下でも生存可能。研究チームはこの特性を活かし、生きた状態での微細加工を実現しました。

凍らせて彫る「アイス・リソグラフィー」の仕組み

アイス・リソグラフィーとは、冷却したクマムシに氷の薄膜を形成し、そこに電子ビームを照射することで模様を刻み込む技術です。

氷の膜は電子ビームに反応し、指定した部分だけが固定され、氷が昇華することでパターンが残る仕組み。実験では大学ロゴまで彫れる精度が実現され、ナノメートル単位のパターン形成が可能であることが確認されました。

タトゥーを彫られても元気に動くクマムシ

加工されたクマムシはその後、常温で水を与えることで復活し、多くの個体が通常通りの動きを見せました。

驚くべきことに、行動や寿命に顕著な影響は見られず、ナノパターンを刻まれても生命活動に支障をきたさないことが分かりました。

これにより、生きたままの生物に微細構造を持たせる応用の可能性が高まりました。

生体へのナノ加工が切り開く未来

今回の技術は単に“面白い”だけではなく、将来的に生体組織への微細デバイスの組み込みや、医療分野でのバイオセンサーとしての活用など、さまざまな応用が期待されています。

従来の生物では不可能だった微細加工の壁を越えたこの技術は、生命とナノテクノロジーの融合という新たな研究分野への扉を開くものです。

文=WEBOPI(翻訳|構成|編集)


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